たかおか共創ビジネス研究所第3期
高岡市/富山大学

事業レポートReport

たかおか共創ビジネス研究所第3期開講式

2016年6月17日
日時 :平成28年6月17日(金)14:30〜17:00
会場 :高岡市生涯学習センター4Fホール

富山大学と高岡市の共同主催による,高岡の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的とした「たかおか共創ビジネス研究所」第3期の開講式が行われ,約半年間にわたる地域課題解決のためのビジネスモデル創造を目標にした講義がスタートした。開講式には受講研究生8人をはじめ,富山大学,高岡市関係者,協力金融機関各行と後援機関各団体関係者,第1期・2期の修了生やマスコミ関係者など約50名が参加した。

たかおか共創ビジネス研究所第3期開講式

開会あいさつ

第3期開講にあたり,主催者を代表してたかおか共創ビジネス研究所所長の高橋正樹高岡市長と遠藤俊郎富山大学学長が挨拶した。また,財務省北陸財務局富山財務事務所長の野口久雄氏からのメッセージを披露した。

高橋正樹高岡市長

「今回で3回目となるたかおか共創ビジネス研究所は,創業・起業を目指すものだけでなく,それに至るまでの思考プロセス,支援の仕組みをどう有効に使うか,それを地域にどう貢献していくか,地域づくり・地域おこしの中でどのような役割を果たし,思いの実現のために如何にアクションを起こし,理念に対して理論付けするかを学んでいってもらいたい。

座学だけでなく講師や仲間とのディスカッションを通じ,深く掘り下げ物事の本質を突きつめることが肝要。地域社会・地域経済を成り立たすためにそれぞれの社会的責任を考えながら,新しいビジネスの在り方を探っていくのがこの研究所の役割であると思っている。地方創生のためには「魅力あるマチ・魅力あるヒト・魅力あるシゴト」が大事。この研究所でそれぞれの思いを実現して,魅力あるビジネス・魅力ある社会をつくるための大きな役割を果たすように成長していくことを期待する。」

遠藤俊郎富山大学学長

「たかおか共創ビジネス研究所は,より良い新しい展開をつくっていく場である。とにかくチャレンジをすること,チャレンジするために様々な壁があるが,それを乗り越えていくには様々な大きな課題があると思う。乗り越えられないこともあるかも知れない。少なくとも今の時点では,夢を持って目標を掲げ,それにチャレンジする勇気が重要です。有意義な研究所となるよう頑張っていきましょう。」

国の行政機関として,中部経済産業局電気・ガス事業北陸支局に続いて,今期からたかおか共創ビジネス研究所の後援する財務省北陸財務局富山財務事務所の野口久雄所長からの開講式に当たっての挨拶メッセージを司会者が朗読披露した。

オリエンテーション

説明 :富山大学地域連携推進機構教授 金岡省吾氏
   高岡市経営企画部都市経営課主幹 長久洋樹氏

たかおか共創ビジネス研究所第3期開講にあたり,研究所開講までの背景や開講の目的を説明。金岡教授から大学を取り巻く環境の変化として国立大学のあり方についてや地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)事業としての大学の取り組みについて説明され,新しい富山大学の動きとして地方創生とイノベーションがテーマとなり地域をどうするかが最優先課題となっていると話された。

地域づくりを取り巻く環境の変化として,行政主導から民間主導の協働スタイルに流れが移行し,企業活動も共通価値の創造(CSV)の概念がはいって社会的な課題と自社利益や競争力向上を両立を目指すようになったと事例を挙げ説明。さらに,新たな国土形成計画(全国計画)の国土の基本構想実現のための方向性である個性ある地方の創生について説明した。

長久主幹から「たかおか共創ビジネス研究所」の概要について,プロジェクト立案経緯から目標・目的,第1期・2期の講義・演習の様子や研究員の修了後の動きや活動について紹介。本年度のカリキュラムについてテーマは「高岡を次のステージへと繋ぐのは,あなたのアイディアと行動力です。」と告げ,予定する講義・講師や今後の流れについて伝えた。

特別講義

たかおか共創ビジネス研究所第2期の実績として、第2期修了生の飯野道子氏と高野裕史氏が,取組内容について特別講義をおこない、取組企画や現状、研究所で学んだことなどを講演した。

特別講義
「婚活の学校 Ayllu.(アイリュ)キーワードは【魅力】」
講師 :株式会社Ayllu 代表取締役社長 飯野道子氏

たかおか共創ビジネス研究所では,知識・産官学金・地域,仲間とたくさんの出会いがあり,多くの事例を知り,多くの応援者ができたと話し,高岡の現状を知り,市役所や大学は「今」何を見ているのかを知ることができ,高岡の多くの魅力と地域課題というチャンス囲まれていることを知り,高岡を輝かす自分の事業の価値を見つけるキッカケとなる大きな経験を得たと語った。自社の業務の立場から高岡の地域課題に本音を言える人間関係の構築ををあげ,結婚をテーマに恋愛力・結婚力・コミュニケーション能力向上の自社プログラムについて紹介した。

「たかおか共創ビジネス研究所を修了して」
講師 :有限会社高野不動産商事 代表取締役社長 高野裕史氏

入講のきっかけは金融機関からの推薦で,目的は人脈拡張とビジネスの閉塞感を打破したかったからと話し,地域課題を本業のビジネスを活かし解決することを目標にした,たかおか共創ビジネス研究所で学び組み立てた事業や修了後の取り組みについて説明。自社の課題や特徴と自社業務に関しての地域課題を示し,課題解決のための事業プラン「お気軽相談たかおか相続診断所〜相続を争族でなく想族に〜」の概要や展開内容・展望と修了後の活動について説明した。同研究所に入講して良かったことは,自分が構想検討していたビジネスプランが間違っていないことを後押ししてくれたこと,多くの仲間ができたこと,大学や市役所とネットワークができたことなどをあげ,この研究所が長く続きタテのネットワークが構築できることを期待したいと話した。

研究員自己紹介

第3期生研究員が自己紹介をおこない,企業情報や事業内容,研究所参加の動機や抱負などを話した。

研究員自己紹介

座談会

テーマ :共創のまちづくり 〜地域課題解決と経済活性の両立による地方創生〜
パネリスト :高橋正樹氏(高岡市長)遠藤俊郎氏(富山大学長) 
 飯野道子氏(株式会社Ayllu代表取締役社長) 
 高野裕史氏(有限会社高野不動産商事代表取締役社長) 
 第3期研究生
コーディネーター :金岡省吾氏(富山大学地域連携推進機構教授)
 長久洋樹氏(高岡市経営企画部都市経営課主幹)

論点① 高岡市の地域活性化のベクトル  地域創生と共創のまちづくり

髙橋市長
髙橋市長

「高岡は新幹線開業と地方創生の2つのベクトルの交差点にある。地方創生のテーマは「まち・人・仕事」,地方毎にオリジナリティが必要である。高岡のまちづくりは新幹線駅が旧中心部と離れてしまったことが課題。新高岡駅・高岡駅と中心商店街・山町や金屋町などの旧町(歴史ゾーン)が一つの軸線上に並んでいることを利用して都市機能を集約して機能向上を図ることが重要。仕事については,高岡は職人・伝統工芸などクリエィティブな要素を大事にする町,自分の自己実現ができる魅力ある仕事を作っていくことが重要。魅力ある人づくりにとして、子育て世代が定住できる町にするよう良い環境を作っている。地域の活力は,いかにクリエィティブな人間を創っていくか,プロフェッショナルの職業を目指す人達が大勢育つまちが活力あるマチとなっていくと思う。人づくりをこれからの大きなテーマとして取り組んでいきたい」

金岡教授
「市長の言葉に、重要なキーワードが幾つか出てきた。言葉の中にも色々なヒントがあったと思う」

論点② 第2期の評価と第3期への期待 大学が果たすべき役割

遠藤学長
遠藤学長

「自分の立つ位置をしっかりと持つようにし,モノの発想ややろうとすることの様々な世代や人の違いの良さを如何に組み合わせるのか考えるのが皆さんの世代の役目となる。たかおか共創ビジネス研究所は第3期となるが,同じ時間を共有した同窓というのは大切。同じように学んだ修了生がタテにも繋がれば大きな力となる。この会の同窓会という形での発展も期待している。大学に何ができるかは厳しい状況にある。第4次産業革命下の今の時代、ITをどう活かすか,AIに勝つ仕事をどうするのか、人間力・人の良さをどう生かすかになっている。大学が何をサポートし,何をやるべきかというと,原理原則や技術的なこと,基本的なことを伝えるコト,どう進歩しているかを伝えることが役割だと思う。研究所参加メンバーも自分のやっている仕事を立ち止まって,勇気を持って一歩踏み出してこの時間を使ってもらいたい。皆さんと一緒に接点を持てることで活動を拡げる機会を持ち何かを生み出すことを期待したい。国立大学は少子化の影響で生き残りに必死である。国民の税金を使い運営する国立大学が,地域において何ができるのか、何をリターンできるのかが課題である。本当に大事なのは真理の追究であったり,原理原則と基本的なことを繰り返し皆さんへメッセージを伝えながら、皆さんからアイディアいただき新しく創る努力を続けていくことが必要だと思っている。」

金岡教授
「勇気を持って一歩踏み出し学んでいったた皆さんが修了式の時どのように変わるか楽しみです」

論点③ 第3期研究生の声 第2期研究生の活動の感想,今後取り組みたいこと

金岡教授
「第3期研究生の中から2人から抱負や疑問質問があれば発言いただきたい」
吉岡氏
吉岡氏

「2期生の発表を聞きイメージが湧いた。地域の課題をビジネスとして解決していくコト,地方創生までは理解できた。地域の課題解決を本業から考えるか,課題から本業へつなげるか考えている」

塩崎氏
塩崎氏

「2期生の発表を聞き着地点がわかった。自分の本業からの着地点がないか考えてみたが難しく感じられた。当社があり住まいしている山町筋のまちづくりで何かやっていけないかと考えている。」

金岡教授
「2期の2人から3期の方へエールを」
高野氏
高野氏

「私の場合,入講時から頭の中にモヤモヤした形があり,先生方の講義や指導で整理でき形になった。同期にはまちづくりに取り組んだ人もおり,タテの繋がりで情報交換してもらえればと思う。市の予算をかけて学ばさせていただいているので市にお返しできるよう意識してがんばってもらいたい」

飯野氏
飯野氏

「津屋崎ブランチでは移住者に何故何をしたいのか等徹底的に聞き受け入れている。この研究所でも何故何をしたいのかを考えていろいろやっていただきたい。いろいろな可能性が出てくると思う。人と人とが接触することで今まで無かった何かがきっと生まれると期待している」

金岡教授
「1期の大越さんからもエールを」
大越氏
大越氏

「先週の新聞紙上でも本研究所でCSVのことを学んだことを記事に取り上げていただいた。寺子屋というものを地域で助け合うことをイメージして取り組んでいる。地域の方々が元気でないと本業が成り立たないのでそのために取り組んでいる」

金岡教授
「協力・後援機関の方からも一言」
中部経済産業局電気・ガス事業北陸支局 原幸彦氏

「講演が設定されそれに望めるのは素晴らしいコトです。当支局では,新事業の支援・創業支援をしており,本業の幹を太くする支援も進めている。皆さんのバックアップはさせて頂きます」

富山第一銀行 島田氏

「目的を持っている人・白紙の人・中間の人もいると思うが,1期目・2期目の方の前例が好事例としてあるのでこの機会を活用して欲しい」

高岡信用金庫 長澤氏

長澤氏「こういう形のモノが高岡市で3回目と続いて開かれていることは非常に良いこと。参加している皆さんもビジネスを更に新しいモノに変えていこうとする熱い想いが感じられた。一緒になって考え,手伝いしていきたいと思う」

富山銀行 本田氏

本田氏「1期から毎回感じるのだが,すごくヤル気がある方が多く,一緒に何か考えてようという姿勢の方が多い。我々金融機関もそういう方を応援するために一生懸命に日々活動しているので何なりと相談してもらいたい。」

長久氏
長久氏

「アウトプットには本業の部分から地域に貢献していけるものを結びつけていくモノと地域貢献で企業価値を高めていくイメージの2つのパターンがあるのかと思う。各企業の現況や特徴・課題などと地域の課題などを照らし合わせて接点を見いだしてもらいたい。高岡市から必要な情報は提供していくので色々相談して活用してもらいたい」

金岡教授
「総括に入る前に市長からもう一言お願いします」
高橋市長
高橋市長

「研究生の皆さんこれから頑張ってください。高岡市は駅前や山町はじめの行政インフラを力を入れて整備して来た。場をつくってきたが,場を利用してもらう,利用する機会をつくることが大事である。市民の人達が利用して付け加えることが大切で市民の方・地域の方が一生懸命考えて進められている。何をつくるかより何を生み出すのかが問われていると思っている。高岡市は文化創造都市を作り,市民創造都市を目指したいと考えている。市民の人が市民の力でまちをつくり,そういう人たちを育てることを打ち出している。人と文化が循環する高岡を考えている。みなさんにおかれては、様々な実践されたことを積み上げていただきたい。ここで、大学へのお願いだが,人の営みのなかで様々に実践されたことを集積を集約して理論化やコンセプト化して新しい形へ繋げていってもらいたい。たかおか共創ビジネス研究所という実践の場で理論づけしていけるよう展開していってもらいたい。研究生の皆さんは失敗を恐れず挑戦することをこの場で学んで欲しい。オンリーワンを目指してほしい。高岡市としては、ローカルのオリジナリティを生かしたオンリーワンの世界でクリエィティブな活動を展開する社会実現を目指したい」

論点④ 総括

研究所に期待すること,研究生へのエール
富山大学理事・副学長 鈴木基史氏
論点④ 総括

「富山大学はcoc+地方創生に本格的に活動を始めたところで,我々も様々な意味で挑戦している。各自治体・各企業から多様な課題が持ち込まれており、それに対してどう応えるか、それぞれに合わせて常に挑戦している。解答というのはなく,この場が与えられ,皆さんが出会い,いろんな人の意見を聞き,どこでどういう問題があって苦しんでいるのかを皆で理解する。ここで今自分がやっている本業が高岡市の中で,日本の中で役立ってどんな位置にあるのかと言うことを,ひとつおいて考えてる「人生の句読点」の場でにして欲しい。そして次に何をしていくかチャレンジしてもらいたい。常に自分はどうしたらいいのかを考え,半年間努力してください。皆さんは大変期待をかけられている。期待に押しつぶされずチャレンジして答えをだすことを信じている。富山大学も高岡市も協力・後援機関もバックアップしますので,これからの半年間,苦しみながらも楽しくやっていってください」

協力機関

高岡信用金庫 富山銀行 富山第一銀行 北陸銀行

後援機関

経済産業省中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局 高岡商工会議所 中小企業基盤整備機構 
 公益社団法人富山県新世紀産業機構 北陸財務局